詐欺に遭いました。

とても忙しくて、詳しく契約内容を確認していなかったことは、自分の職務の関係からしても、やってはならないことであったのは事実で、要するに、架空請求書に近い詐欺。

どんな詐欺かと言うと、「無料求人広告掲載サービス詐欺」。

1月、ハローワークに求人を掲載してもらったことから始まったのだけれど、日ごろからかなりの件数の無料求人広告掲載の勧誘電話がかかってきていて、正直うんざりしていたことも原因だったのだろうと後で思った。

2月に入って早々、請求書が届いて気が付いた。

ネットで検索したところ、同じ業者から詐欺請求にあっている人が多くあったこと、また、数年前からテレビやネット、雑誌などでも多く取り上げられている詐欺の典型的な内容と同じであったことが分かった。泣き寝入りされている方や、警察・弁護士に相談されている方など、多くの情報が出ていた。

詐欺の手順は、ハローワークに求人が公開されると数時間で勧誘電話がかかってくる。「2週間の無料掲載サービスに掲載しませんか」と、東北訛りの男性からの電話だった。いつもなら即座にお断りさせていただくのに、その日はそれすら面倒で、ついサービス期間だけならと答えてしまった。

後はネットで掲載されている詐欺の手法そのまま。申込書はFAXで送る。申込書の判は担当印でよい。契約に関する確認書にもサインと押印をして送信すると言うものだった。電話では、「1週間程度したらまた電話して、問い合わせやアクセス状況をお知らせするので、その時に有料を利用されるか止めるかを判断してください」と言っていた。確実に。けれど、契約書には電話することはないと6ポイント程度のフォントサイズで詐欺を正当化する内容が記載されていた。もちろん電話はかかってこなかった。それで終了と思っていた。

確認書と言われるものにも、6ポイント程度のフォントサイズに、詐欺会社に有利な内容しか記載されていない規約が記載されていた。それをよく確認したのは請求書が届いてからのことだった。

2月1日から2月14日までの掲載料と言う請求書が届き、電話で詐欺だと連絡をしたら、幸いにも電話には出てくれていて、詐欺にならない旨を延々と話す東北訛りの男性。ただ、いかにもバカにしたような話し方が、自分として憤った。とにかくキャンセルの方法が記載されておらず、その方法を教えるよう電話で言うと、詳しい説明もなくメールで止める旨を記載して送れとだけ言ってきたので、どういう内容で記載するかと再度尋ねたら、「今説明しましたよねぇ。それも分からいのですか」と見下した話し方で伝えてきた。絶対引き下がらない決心をした。お金を払って詐欺を成立し、警察に持ち込もうと考えていた。先方には警察と弁護士に相談すると伝え、対応策を考えることにした。出来るだけ証拠を残そうと思った。

既にもらっている契約内容は、全て先方の正当性を主張した内容しか記載されておらず、こちらからの契約キャンセルに関することは、曖昧な表現でしか記載されていなかった。もちろん警察に通報し、弁護士に相談するつもりでいたが、まずは、現在掲載中の情報の処理方法を考えなければと思った。継続が永久に続いたらどうするかを最優先で考えた。

ハローワークの求人を停止してもらうようにし、自社のホームページ上も求人終了の案内を掲示した。そして、求人が終了している旨を詐欺会社にメールで連絡。なぜメールにしたのかと言うと、証拠を残すため。自動更新をキャンセルする旨のメールと求人が終了している内容を1時間毎にメールした。そして、そのメールを受けた返信をするよう追記していたが、一向に返信されなかった。次は開封確認機能を付けて送信。キャンセル文章も分かりやすく、こちらがFAXした日付とタイトル内容を記載した文章に書き換えてキャンセル文を送信。1時間毎に送信を繰り返す。全て日付と時間の記録が残るようにした。

なぜ、この方法が有効ではないかと思ったかと言うと、請求書に2月1日から2月14日までの掲載料と記載されていたためだった。その間求人が停止しているのに、勝手にその内容を掲載して請求することは違法ではないかと思ったから。また、この日付の表記は、サブスクサービス業者が請求する場合、必須であろうと思ったからだった。更に、わが社から詐欺会社に掲載情報の提供は一切送信していない事実があった。何を元に掲載したのかと言うと、ハローワークの掲載情報だけ。詐欺会社は知らないのだ。その情報を元に掲載サイトの情報を作ったものを、こんな感じで掲載すると送ってきていた。それにも返事はしなかったので、掲載情報を連絡した証拠が詐欺会社にはないことを知っていた。それは、ハローワークの掲載が終了したことで、詐欺会社は勝手に情報を掲載続けていると別の詐欺の証拠になると思った。

返信がない間、警察に通報するための証拠を探した。先方のドメインから、どのサーバーを使用しているのかを調べ、IPアドレスなど様々な情報を収集した。格安レンタルサーバーで運営しているようで、それが弊社のUTMが遮断してしまって、セキュリティが不安定としてホームページも閲覧できない状態だった。けれど、ポケットWI-Fiで接続したら確認することが出来、キャンセルメールを送った午後には求人情報が表示されなくなったことを確認した。たとえ請求書の支払いをしても、それも確実な証拠になると思っていて、警察に提出する証拠作成のための手段として支払っても良いと思っていた。それが詐欺の事実となり、その会社を潰すことになればもっといいと考えていた。

ぎりぎりまで支払いはしいないでおこうと思っていて、その後、何ら連絡もない旨をメールすると電話がかかり、午前中にメールで請求の取り下げを案内していると言われた。更に証拠となるよう、もう一度そのメールを再送信してほしいと伝え、送信してもらった。自分のメールではSPAMになり受信できなくなっていたので、メールサーバーに直接アクセスして確認した。キャンセルを受け付けたと言うメールの返信があれば請求書の支払いを行うが、なければ詐欺と捉える旨のメールを送信したのが3時ちょっとすぎ。午前10時頃に請求取り下げのメールを送ったと言われたので、支払う旨のメールを送った時間より後の取り下げメールを受け取りたかったので、再送信されたメールを受信したのが3時38分頃。これで、やり取りは終了し、こちらは支払わなくて良くなり、証拠をある程度確保することが出来た。

何が請求取り下げになったのかは、詳しくは分からないけれど、恐らくハローワークの求人取り下げと1月で求人が終了したと言う事実が、自動更新になることを知らずに契約したと言う証拠になったからか。

今回は未遂で終わりましたが、もう二度とそんな広告掲載はしないと決めた。次はもうない。皆さまも気を付けてください。