幽霊の足は消えてしまった。

それは、円山応挙が描き始めたと言われている。そんな時代を生きた人物がいたことの片影に触れることが出来るお寺。

兵庫県香美町にある大乗寺。応挙寺と呼ばれている。

円山応挙は、江戸時代中期に活躍した画家と伝えられている。そんな古き時代に、応挙は写生を重視した絵を描いている。応挙が現れたことで、京都中の絵が写生になったと、ある小説家が本に記している。伝統を重視した時代。快く思わない意見もあったであろうけれど、自分の目に映るものをそのまま描きたいと言う思いが、多くの人の心を奪ったのかもしれない。

真実を伝える。

人に影響を与えることが出来る力。

そんな力を感じることが出来るかもしれない。

大乗寺にはそんな応挙の手掛けた襖絵が多く残されている。

自分たちの仕事は、株式会社と言う組織であり、それは営利目的の会社であるため、自分たちが行った仕事に対する報酬を頂くことで雇用を維持し、運営を維持出来ている。誰かから無償で会社運営費を賄ってもらっている組織ではない。それは、自分たちの仕事に対価が生じるもので、それが会社に関わる従業員の生活を守るものとなる。だからこそ、自分たちの力を向上させる努力をし、必要とされる技術と知識を常に身に着ける努力をつづけている。請け負った仕事に真摯に取り組んでいるつもりでいるけれど、伝わらにことが多い。今の時代でさえ、目に見えない技術や仕組みに対価を要求することを批判されることがある。

日本は難しい。

応挙のように、自分の目に映るものを信じ、伝えられる力を得られるよう、もっと努力が必要なのだなと実感する。

そんな時、応挙は力を与えてくれるかもしれない。

大乗寺の山門を潜るとすぐ左手には、お寺を守る大木が生きている。

木が守る場所。そこにはきっと何かがある。