私事ではあるけれど、この日はとっても大切な用事があり名古屋入りしました。

もっと晴れた空なら、金のシャチホコが映えたのかもしれない。もし、今の時代に徳川家康が歩いていたら、きっと普通のおじさんで気づくこともできないのかもしれないなぁなど、なんとなく馬鹿げたことを考えながら歩く。

戦国の時代には生きたくないけれど、戦に明け暮れた時代に生きていたら、どんなに毎日、毎時、毎分、毎秒の出来事が貴重なもので、一生が瞬く間に終わったのかと考えると、今の自分は幸せなのかもしれないなぁと思うのでした。

熱田神宮。

多くの方が参拝されていて、自分もその中に加わる。建物の作りがとても印象的で、伊勢神宮に良く似ている。調べてみると、神明造と呼ばれる建築様式だそうです。とても歴史の長い様式で、弥生時代の高床式倉庫が原型ではと考えられているようです。そんな古くからの建築様式が、この時代にも継がれている。仕事柄、最新のものばかり好んでいるように思われるけれど、豊岡市にある、ある和菓子のお店で、こんな話をしたことがあります。

『本当はこんな昔ながらの商売の仕方はと思うけれど、今風って言っても私には難しいんです』とお店のおかみさん。

『こういう味のあるお店は、その風情がとても良い。今のままが良いと思います。全てを機械化することだけが良い未来につながるとは思っていませんよ』と私。

人の心を残したいと思う。

そんな仕事を続けたい。