たんぽぽが会社の前の花壇に咲いていて、たんぽぽが咲く季節だったと思い出した。桜が咲き、つつじが咲き、コブシが咲き、桃が咲き、日本は今、あちらこちらで花が咲いている。
たんぽぽの花言葉の中の『信託』を調べると、神のお告げとある。
神は今の世の中をどう見ているのだろう。
とても悲しい情報が流れ、多くの人が身を引き裂かれるような思いを抱き、命の犠牲をどうすれば止められるのか、どんな方法なら世界中の声を届けられるのか、自分の無力さ、虚しさ、愚かさに落胆し途方に暮れる。
神はいつの世でも人を救うことはなかったのかもしれない。ただ、考え方を教え、そっと背を押すことで、一歩先へ歩めることを教えていただけなのかも。たんぽぽの花が終わり、綿毛になるまでひと月ほどかかる。それでも、綿毛になり、風に乗り、遠い国へ辿り着けたらと願わずにはいられない。少しでも届けたい思いがある。