とても穏やかで、満足そうな顔は、厳しかった時代を忘れてそれで良かったのかもしれないと思えてしまう。

嫌いだった時間も、悲しかった季節も、まるで無かったかのように。

消えると言うことはそう言うことなのかもしれない。

今年もさくらんぼの花が咲いた。

何でもない時間が、穏やかに過ぎることの贅沢に、

気付くことができることがどれだけ幸せなことなのかを今さらながら知った。

4月。始まりの月がやってくる。