儚げな太陽の光が緩やかに大地を包み込み、ほのかな温もりを分け与えてくれる。布団の中の温度が意識を夢と現実の間へ留め、その場所が妙に心地よく、このまま終わらなければいいのにと思いながら起き上がれずにいた。
それから思っていたより時間が進んでいて、そうだ、今日は西宮神社へお札をお返しに行こうと決めていたことを思い出し、慌てて起き上がり、出発の支度をする。
数日前に十日えびすで賑わっていたであろう西宮神社は、思ったよりも多くの参拝者がいらして、まだ福笹をいただくことが出来た。お礼参りをし、西宮神社からそれほど遠くない位置にある、廣田神社へ向かう。
天照大神の荒御魂を祀られているこの神社は、勝負の神様。とても格式高い神社で、「日本書紀」にも登場する歴史のある神社。この日も多くの参拝者がお参りされていた。
新年であるからこそ、いろいろなことに勝てる年になるよう、多くの方の力が集まるこの場所から、自分も少し力を分けていただく。
今年も多くの力を授かりに歩くことが出来るといいなと思う。