心にともし灯を

昔々、そのまた昔、宇宙から地球を守るとやってきた「尊天」。

宇宙からのエネルギーを受ける山。鞍馬寺。

全ての願いを叶えてくれると言われている。お願いしたいことは湯水のごとくあるのだけれど、そんなこと考える余裕すらなかったこの日。

仁王門のところまで歩くのでさえ、かなりの傾斜がある階段。一抹の不安。本殿まで行けるだろうか。

途中はケーブルカーを利用し、片道200円で楽を買う。本当は、歩いて由岐神社を参拝したかったけれど、足腰に不安のあるお供を連れてだったので難しい。宇宙のエネルギーを分けていただきたいことが一番の目的であったので、今日はその目的を果たすことに集中させてもらうことに。

ケーブルカーを降りるとすぐに見える多宝塔。お天気が良かったので麗しさが映える。その脇を通る緩やかで長い登坂をゆっくりと歩く。それほど傾斜も強くなく、当初の不安もどこかへ飛んで行った感じがする。森の中を歩くので、いろいろな鳥に遭遇したり、木漏れ日の美しさに心が癒される。

宇宙からのエネルギーを、この森も感じているのかな。

自分にも受け取れないかと両手を開いて仰いでみるけれど、修行が足りないようで、全くエネルギーは受け取れなかった。自分には早すぎると言われているのかもしれない。

緩やかな登り坂を進むと、急激に厳しい階段が待ち受ける。大丈夫かな。

不安が一気に戻ってきて、それでもここまで来たのだからと、休憩しながら登って行く。

金剛床の中央に立ち空を仰ぐ女性がいて、しばらくその所作を眺めながら、そうすれば宇宙からのエネルギーを感じるのかと思いながらも、自分はそこを通過した。

今、自分がここで授かりたいものって何だろうと考えた時、湯水のごとく湧いてくる。けれど、そんな湯水のごとく溢れるものをここで願うことは、自分が愚かな人間であることを自覚させられ、自己嫌悪の世界に追いやられてしまうかもしれないと思ったら、怖くて通過することしか出来なかった。

本殿で唯一、元気で過ごせることへの感謝と、この元気が続くことをお願いした。

結局、自分にはまだまだ宇宙の力を授かるに至らなかったのだけれど、帰り道、多くの方の優しい心を受け取った。足腰に不安のあるお供の為に、道を開け、椅子を譲って下さった。心から感謝をした日。

ありがとう。

言葉にすることで伝えたけれど、音にすることで自分たちが思う気持ちと異なって伝わってしまいそうで、心の中で何度も繰り返し感謝を伝えた。どうか宇宙の力が存在するのなら、せめて感謝の気持ちを優しい心のともし灯を施してくださった方々に届けて下さい。

ここへ来られる方の心には、心のともし灯がほんのり灯っている。ほの温かい心の灯り。

自分もそんな心のともし灯を灯すことが出来る人でありたい。

これから先、心からお願いしたいと思うことが見つかった時、もう一度ここに立つ勇気を手に来たいと思う。

 

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