お多福桜と徒然草の法師様

寒波の到来で、雪舞う今日。雪が空中でひらひらと舞う景色は、小さな天使が舞い降りてきたかのように儚く美しい。その美しい容姿に隠れ、冷たい空気が弓矢となって矢を放ち、頬にちくちくと攻撃してくる。白い天使の裏には、小さな悪魔が隠れている。

寒い。

少し前のこと。今にも雨が降りそうな空模様でも、登山人が多く歩いておられた日。京都はこの日も多くの観光客で賑わっていて、いつ訪れても人があふれている都。そこには人を魅了する歴史と、古くから残る貴重なものが多く、特に秋には普段公開されないものを目にすることが出来る機会が増える。そして神社仏閣の美しい庭と紅葉、野山の自然が生み出した景色が何とも風情があり、国内外の人々に癒しを恵んでくれる。

仁和寺。

仁王門の真ん前はかなりの交通量がある道路。正面から眺めたいのに、眺めるには道路の向こう側に行かないと正面が見ることが出来ない。凄いところに位置しているけれど、このお寺は徒然草に登場する歴史のあるお寺。そのお話はあまり嬉しいお話とはいかず、どちらかと言うと、人に教えを説くための失敗談として登場する法師様のお寺。けれど、見方を変えると、それは、今の時代にも人の生き方にほんの少しの知恵を教えてくれている。良いお話なのです。

御室桜。「おむろざくら」。

桜が有名らしく、桜の季節なら良かったのにと思うけれど、丈の低さや枝が横広く広がっている様や、花が無い分幹にに刻まれた歴史をうかがい知ることが出来る。それもまた貴重だなと思う。

金堂へ向かう階段の両脇にそびえる紅葉が深紅に近い色に染まり、本当に美しく、晴れならもっと色が鮮やかに映えていたのにと、少し残念に思いながら上を向いて歩く。

綺麗な深紅。

今年最後の紅葉に魅了されながら、広い境内を散策して歩く。

肌寒いけれど、凛とした空気が心地良い。

そこまで冬は近づいていたある秋の日。

 

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